■原木の目利き
原木は針葉樹、広葉樹、国産材、輸入材を問わず「形が真っ直ぐで、真ん丸で、芯が真ん中にある」ものが良い。
さらに節がなく、外面に傷が見えないものを選ぶ。
色はその樹種に応じた色のものを選ぶ。
例えば杉は桃色をしたものが良材とされる。
黒色の杉は市場での評価は低い。
樹齢は古いものが価値が高い。
一般的に樹齢100年の木よりも150年の木の方が価値が高い。
樹齢は年輪の間隔を見て判断する。
あとは樹種によって異なる、特徴的な欠点に注意する。
■製材の目利き
製材前には原木をよく観察して、どの角度で鋸を最初に入れるかを決定する。
製材の途中で傷が出てきた時は、微調整しながら目的の板を取っていく。
これを木取りという。 木は製材の過程で必ず曲がる。
鉄などと大きく違う木の特徴である。
長年にわたる成長の過程で風などに対し抵抗する力が木の中に蓄えられる。
これを木の応力という。
鋸を入れる時には応力が解放されるため木が外に曲がろうとする。
この応力をうまく抜いてあげながら製材することが肝要である。
■木材の目利き
原木を数多く見て製材の経験を積んでいくと、板を見ただけでこの木はどんな丸太だったのか、どんな製材が行われたのかがわかるようになってくる。
そうするとその板がどのような性質を持ち、加工するとどのようになるのかが大方予想ができるようになる。
木は自然の産物であり、自然界の原理原則に基づいた性質を持っている。
この木材の原理原則を正確に捉えることが木材の目利きである。
高田豊彦