先日、高田製材所で工場内にある丸太を使っての社内勉強会が行われました。
先ずは、この大きな丸太から。
これはスプルースという木です。
正式名称『シトカスプルース』。アラスカ産の木材で、アメリカの西海岸の北の方でアラスカからカナダにかけてあります。シアトルぐらいまであったんですが、今はほとんどアラスカとカナダの一部です。
こちらのスプルースは200年から300年くらい経っています。
今は長さをカットしているので9m位ですが、元々はたぶん40m位あったと思います。
直径1mくらいで長さ10mの木がいくらくらいの価値があるかは想像しただけで大体分かるかなあとは思いますが。
スプルースに限らず、木には白太もしくは辺材と呼ばれる部分があります。
この部分(黄色矢印部分)です。白太より内側から芯までが赤身の部分です。
白太は見ての通り腐りやすくムシがつきやすい、変色しやすい材としてはまあ劣ります。赤身は耐久性が白太よりかなりあります。
何の木でも一緒です。アフリカ材でも、何の木でも全て一緒です。
この丸太は『カシの木』です。
皮と白太のこの間、ここが細胞分裂をしてここから成長します。なのでどんどんどんどん成長していってここだけしか木は成長しません。ここが成長して実がずっと古くなるにしたがってずっと中に入って、芯が一番古いものになります。
ずっと成長してどんどんどんどん大きくなっていきます。
質問Q・表面にあったクギとかが中に埋まっていきますか?
A・そうです。
皮もそうです。際部分が成長しているので外側が一番古く、皮も厚さがあるので外側が来て、白太の際が一番若い。
木には薄皮があるけど、杉とか桧は皮が剥きにくいというか、薄皮みたいなのがあるけどそこが一番、成長しているとこで、虫もつきやすいです。
年輪は1年ずつで年輪が増える。熱帯の木とかはちょっと違いますが、大体そうです。
年輪のスジのところが冬目。時期的に言うと8月~9月くらいだそうです。
スジとスジの間が春目。8月~9月でスジができて、その後春までずっと成長しない。
3月~8月ぐらいまでが成長します。
丸太の木口を見ると大体わかります。
割れや、木口にカスリができている、節、チラ(斑)がある。ハブシや節もわかります。
木口をみればわかるし、木肌を見れば分かる。木肌が真っ直ぐしているか、節がある時は節がついているので木肌からもわかります。
陽疾(アテ)とかも、年輪の幅が大きくなったりとかっていう木は、割とアテがあることが多いです。
質問Q・アテとは何ですか?
A・例えば、最初は地面と直角に生えていると思いますが、だんだんお天道様に向かって伸びるので、木が上に向かって曲がる。曲がるときに歪みが出て、木材の歪みが出る。この歪みが木の時にずっと蓄積されてるわけです。
歪みながら成長し、歪んでいるのでそれを例えばカットしたり鋸で製材をしたときにその歪みが解放されて曲がる。だから木材としてはあまり良くない。というものです。
芯が真ん中にある丸太は地面が多分斜面じゃなくてなだらかなところでまっすぐ成長しているのでそういう木は良い木。
芯が中心から外れて白太側に寄っているときはどこかに歪みがあるのであまり良くない。というのがセオリーです。
質問Q・製材した後でもやっぱり曲がったりしますか?そういう木はどういう使い方をしますか?
A・曲がります。厚みを厚くすれば曲がりにくいとか長さを短く切れば曲がりにくいとか向き向きです。
質問Q・そのあたりを木を読みながらこれは度の厚みで製材しようとか、どうやって切ろうとかというのを決めている?
A・そうです!
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質問Q・スプルースがもともと、40mくらいあっただろうということで、高田製材所に大体12mとかで大体きて、4m長さにカットしますが、この木材のまだ末部分(枝に近いほう)っていうのはまた別木として?
A・そう。別木として良い材であれば建具材に、ならなければ節が多かったりすると国としては韓国や中国に行ったりする。その時の用途としては梱包材とかパレット材になります。
でももっと末の方で径級が小さくて節ばっかりの丸太はチップになります。
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質問Q・立ち木のときに大体、建具用として出てるのは地面からどのくらい出た部分になりますか?一番下の部分(根に近い)がきてますか?
A・地面からは根っこの張り部分を外したりするので、1mかものによっては2mぐらいは残しているかもしれません。基本的には一番下になります。
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質問Q・アフリカ材だと枝下が結構節が無いものが多いですが、スプルースはもう10mぐらいから枝が出てるような感じですか?
A・ものによります。
アフリカ材とかは下が3mぐらい張っているそれは2~3m高さから切ってるかもしれない。直径1mくらいの木は根の所は直径3mぐらいになっているはずです。
メラピーとかもそうです。
丸太が曲がっている木など色々な特徴があるが、曲がっている木は製材で少しは戻ったりはするけども、最終的には曲がるそれを見越してやっぱり製材全部使わないといけない。
原理原則だいたいのっとってるので、それをちゃんと読み解く。というのが一番大事。
今回は新入社員もいたため、丸太の基礎的なことも教えていただきました。
初めて知ることも多々あり、とても勉強になりました。
次回はどんなことが学べるのか、今から楽しみです(^^♪
社内勉強会の様子をYouTubeにもUPしています。
実際の丸太を見ながらなのでぜひご覧ください。