「木目」と「杢目」
「木目」と「杢目」とは
「木目」とは丸太を製材したときに現われる年輪の模様(木理ともいう)のことをいいます。
板目や柾目などの木目とは違い、特殊な表情が現れたものは「杢目」と呼ばれます。
縮み杢や玉杢などの特殊杢は、数多くの原木の中から数%しか取れません。すべての原木に特殊杢が出るものではありませんので「杢目」が現れた板は希少価値が高く、価格も高くなります。
ある人によっては『綺麗だな』、『好きだな』と思う木目でも、他の人にとっては苦手な杢目であるなど、人の感性により異なるものです。
樹種一つとっても丸太1本毎、その原木から取れた板にも、様々な表情があり『同じ木目のものがない』というのは無垢材の良さです。
さて、木目や杢目はどんなものがあるのでしょうか。
杢目のある木材
カーリー(波状杢)やバーズアイ(鳥眼杢)、キルティッド(杢の現れ方によってチューブ杢やブリスター杢(泡杢)など呼び名が変わる)はメープルの原木の良い部分に現れる杢目です。国産メープル、楓(カエデ)も縮み杢や泡杢が現れることがあります。
クラロウォールナットはアメリカ産と欧州産のウォールナットを接ぎ木した結果、お互いが拒絶反応を起こし独特の泡杢や瘤杢が表れ、アメリカ産ウォールナットの中で最も希少価値が高い木材です。その他、縮み杢ではシカモアや栃(トチ)、リボン杢はサペリ、ブビンガには木目もありますが、ときに玉杢や泡杢が現れます。
樹齢が1000年以上経った屋久杉(ヤクスギ)は年輪が緻密で杢の種類は多数あります。
縞がある木目
コクタンの真黒と違い、シマコクタンは黒色と淡褐色の縞が交互に入り特徴的な縞がある高級材です。アフリカ産のゼブラノやオバンコールは黒色の縞がある。ベリは縞が薄めでゼブラノに似ているためその代用としても好まれます。板目と柾目で木目の表情が異なるウエンジは板目に笹杢が現れることがあり木目がとてもきれいな木材です。什器等に使用されるオリーブはマーブル模様の板目柄がとてもきれいで、脂分を多く含んでいるため、使い込むほど味わい深くなります。
人気がある木目
国産材や輸入材の中には魅力ある木目を持つ木材が数多くあります。その中で家具や建具、内装材や外装材として人気がある樹種をご紹介します。
【国産材】
ナチュラルな色合いが多い国産材ですが、楓や栃、屋久杉以外にも、木目が際立つ美しい木材が多数あります。
【輸入材】
国産材と違い、色々な色味がある輸入材は、木目も様々。人気があるウォールナットをはじめ、モンキーポッド、アフリカンマホガニーなど、カウンター一枚板としても映える木目をしています。
「木目」と「杢目」はいかがでしたか?気になる木目や杢目はありましたか?
一枚板や家具、建具、建築内装・外装材など、木材を選ばれる際の参考になれば幸いです。