2006年11月、それは一通の手紙から始まった。
私、高田豊彦は木をふんだんに使用し、木材の特徴を活かした材木屋ならではの
こだわりの家の建築を考えました。
木材の目利きや知識には自信があったのですが、建築設計に関しては無知のため「木材をうまく組み合わせ、
配置し、デザインできる人」に設計をお願いしたいと思い、建築雑誌数誌に目を通しました。ほどなく、理想の
建築が私の前に現れました。それは、大断面の広葉樹が現しとなり、一本一本の材が持つ個性が活かされ、
それらが連続することで、木が本来持っている逞しさや生命力を感じられるような建築。この家を設計した人は
どなただろうと目を移すと、そこには竹原義二の名がありました。“この家に住んでいる人は誰だろう?
”私の中でおぼろげながら理想とする家に、もうすでに現実に住んでいる人がいる。
正直言って、先を越されたと思いました。
後になって分かったことですが、この家の主も竹原義二氏。それは、氏の自邸「101番目の家」だったのです。
こうして、様々な思いが込められた一通の手紙が氏の元に届き「大川の家」の幕が開いたのです。
大川の家 詳細
竣工 | 2009年8月 |
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設計 | 無有建築工房(竹原義二 田野宏昌) |
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施工 | 飯田工務店(飯田明史 飯田由美子) |
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設計期間 | 2007年3月~08年2月 |
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工事期間 | 2008年4月~09年8月 |
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主な仕上げ・仕様 |
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外部 | ガルバニウム合板竪はぜ葺き |
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外壁 | ベイスギ板張り マヂックコートHM仕上げ・コンクリート杉型枠打放し |
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開口部 | 木製建具・トップライト(VELUX) |
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外構 | 栗石敷き・木レンガ敷き・木柱敷き |
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間室1/床 | ウォールナット材乱幅朝鮮張り |
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間室1/壁 | 土佐漆喰塗り・広葉樹列柱・屋久杉板張り・マヂックコートHM仕上げ |
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間室1/天井 | ヒノキ板張り |
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間室1/家具 | 造作家具 |
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家族室/床 | チェリー材乱幅朝鮮張り |
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家族室/壁 | 土佐漆喰塗り・屋久杉板張り・ウォールナット単板張り |
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家族室/天井 | 土佐漆喰塗り |
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和室/床 | 縁なし畳 |
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和室/地板 | ウォールナット・レッドウッド |
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和室/壁 | 墨入土佐漆喰塗り・広葉樹列柱・コンクリート杉型枠打放し |
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和室/天井 | 屋久杉板張り |
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外室1・外室2/床 | クス・サクラ・チシャ・ケヤキ角材乱幅朝鮮張り |
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外室1・外室2/壁 | 広葉樹列柱・マヂックコートHM仕上げ・コンクリート杉型枠打放し |
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外室1・外室2/天井 | 化粧梁現し・ローズウッド錬付け床板現し |
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間室2/床 | ウエンジ材乱幅乱尺梁張り |
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間室2/床 | 土佐漆喰塗り・屋久杉板張り |
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間室2/壁 | ヒノキ板張り |
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間室2/家具 | 造作家具 |
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室1/床 | カバ材乱幅乱尺張り |
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室1/壁 | 土佐漆喰塗り・ウォールナット単板張り |
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室1/天井 | ヒノキ板張り |
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室1/家具 | 造作家具 |
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室3/床 | ヒノキ乱幅張り |
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室3/壁 | 広葉樹列柱 化粧間柱現し ヒノキ板張り |
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室3/天井 | ヒノキ板張り |
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大川の家 フォトギャラリー
竹原 義二(たけはら よしじ)/無有建築工房
1984年 | 徳島県生まれ |
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1971年 | 大阪市立大学富樫研究室を経て、美建設計事務所勤務 |
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1978年 | 無有建築工房設立
以来、自邸「101番目の家」 他、現在までに100以上の作品を手掛ける。
村野藤吾賞、関西建築家大賞 、日本建築学会 作品選奨、グッドデザイン賞他多数受賞。
著書に「無有」(2007年、学芸出版社)。
「日本の伝統建築がもつ空間の美しさを、現代の空間に置き換え、
素材そのものがもつ美しさを表現していきたい。」 と考えている。 |
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現在 | 大阪市立大学生活科学部教授。 |
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高田 豊彦(たかだ とよひこ)/有限会社 高田製材所
1971年 | 福岡県大川市生まれ。 |
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1995年 | 早稲田大学政治経済学部卒業後(有)高田製材所入社。デルタ・トレーティング・リミテッド(カナダ、バンクーバー市)にて木材研修を受ける。 |
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1997年 | 帰国して本格的に家業へ入る。 |
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2004年 | 大川インテリア塾入塾。 |
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2005年 | 木材展示場木彩館竣工。ホームページ開設。 |
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現在 | 代表取締役社長として仕入、生産、営業全般において木の良さの普及に努めている。 |
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