木材は何処からやって来るのか?どんな木材があるのか?
木材流通の現場、仕入れの極意、木の活かし方、製材の方法など木材にまつわる情報をご紹介します。

社長イチオシ木材 「ウォールナット」

 世界中で今、一番人気がある当社イチオシの木材「ウォールナット」を取り上げます。
 ウォールナットの木材について、材質、産地、流通状況、今後の供給などをお話ししたいと思います。
 どうぞ最後までお付き合いください。

 特徴と用途

 正式名称はアメリカンブラックウォールナット。日本産の木ではクルミ(オニグルミ)と同じクルミ科
 の木材です。国産クルミよりも硬く色が濃いのが特徴です。マホガニー・チークと共に世界三大銘木
 に数えられて、加工性が良く、ウォールナット色と呼ばれるダークブラウンの色味、上品な木目が
 好まれ、主に高級家具に使用されています。しかし、何といってもウォールナットといえば銃床。
 ライフル・ピス トルの持ち手の多くは、このウォールナットです。


ウォールナット

ウォールナット

 

  産地と流通

 主産地はアメリカ中東部で、アイオア、イリノイ、インディアナ、オハイオ、ミシガン、ミズーリの
 6州から多く産出されています。アメリカ国内向けの他、輸出額は中国、カナダ、ベトナム、日本
 向けが上位 を占めています。日本へは主にKD材と呼ばれる乾燥済み製材品で輸入されることが
 ほとんどですが、原木でも少量ですが輸入されています。


ウォールナット

現地挽き材が入荷する様子



 

  製材品の輸入

 高田製材所では3等級に仕分けされたKD材を多く輸入しています。1つ目はFASワンフェースと呼
 ばれる上級品で、かつ幅30cm前後の等級、2つ目は通常のFASワンフェース、3つ目はナンバー
 ワンコモン
と呼ばれる中級品です。家具用、造作用の木材として多くを販売しています。


ウォールナット 無垢材

FASワンフェース+幅30cm前後

ウォールナット 無垢材

ナンバーワンコモン


 

 原木の輸入

 原木は製材品では取れないサイズの品揃えのために、直径が大きい丸太や長さが長い丸太をコンテナ
 積みで輸入しています。原木の良し悪しは目利きがものをいうので、年に数回現地に赴き一本一本
 検品して選木します。ウォールナットの大径木には中に釘が打ち込まれていることが多く製材にも
 苦労します。苦労して製材した後は長い乾燥の時間が必要です。当社では約2年間自然乾燥をし、
 時には人工乾燥をして出荷しています。一枚板のテーブルやカウンターになる幅1mや長さ6mの材
 を準備するには手間暇がかかりますが、それだけにその材への思い入れも大きくなります。




 

 今後の供給

 2014年の秋以降、世界的なウォールナット需要の増加、特に中国の爆買い、大雪などの天候不順、
 円安の進行等により、供給不足や価格上昇が起こりましたが、最近の円高傾向もあり、ようやく
 落ち着きを取り戻しつつあります。もともと蓄積量があまり多くなく、10年来のウォールナット
 人気により供給量に不安が付きまといますが、国内外で厳選し良質のウォールナットをご提供できる
 よう努めます。今シーズンの高田製材所ウォールナットにご期待ください!

 

  高田豊彦


ウォールナット特大材

今年4月に買い付けしたアメリカンブラックウォルナットの原木を製材しました。直径は1m越えで、元口は1m60cm強ありました。(写真1 メジャーの長さが1m)
長さは6m60cmで根元より4mの所までは外面に節は出ていない、伸びがよい大木でした。(写真2)


ウォールナット原木

写真1


ウォールナット 原木

写真2


ウォールナットの直径は通常30cm前後がほとんどなのですが、一枚板テーブル天板用には1mくらいの材が求められます。しかしながら、ウォールナットの大径木には約50%の確率で釘が埋められています。理由は諸説あるのですが、フェンスの支柱代わりに使われていた時の残骸というのが一般的です。釘は製材中鋸を傷め、非常に危険です。釘の所は鉄分のため黒ずんでいます。(写真3)


ウォールナット 製材

写真3

今回のメインは、なんと厚み20cm、幅106cm、長さ6m60cmの大盤です。(写真4) 製材前は8cmくらいの厚みにする予定でしたが、この木の特長を最大限に活かすにはどうしたらよいか考え、木目、傷の程度を考慮して製材途中で判断しました。結果は☆☆☆ 星3つでした。色、木目も申し分のない大盤が製材できました。(写真5)


ウォールナット 一枚板

写真4

ウォールナット 一枚板

写真5

正直今回は初めにどこから鋸を入れるのかかなり悩みました。丸太を台車にセットし考え直して90度回してみたり、また戻してみたり。なにせ超高級車が買える価格です、シビれました。


国産のクルミ原木を32本製材しました。

国産のクルミ原木を32本製材しました。

直径は30~50cm、長さは2~4.6mまでバリエーションに富んでいます。近年アメリカ産ブラックウォルナットの人気が高いですが、同じクルミ科の木材ということで国産のクルミも人気がでてきています。ウォルナットに比べて色は少し薄いですが、柔らかな印象を与える木材です。

今回は木工房のお客様の注文材が9本です。厚みを27mm、30mm、33mm、39mmに用途に応じて挽き分けました。原木の大きさ、形状、節の程度、材の硬さなどを見て、希望の板を取りました。

残りの23本は当社の在庫木材として製材です。
メインアイテムは厚み50mmの柾目材。クルミの原木は直径が小さいため、柾目の板が非常に取りにくいのです。曲がりが少ない木を選びますが、どの木も多少曲がっているためなかなか上手くいきません。なんとか4本柾目に製材しました。

珍しいアイテムでは75mm厚みの板や60mm厚みで300~500の天板にできる幅広材が取れています。その他50mm、39mm、36mm、27mmの製品ができました。家具用、皿やカッティングボードなどの小物用にできます。


目利きはどこを見ているか

■原木の目利き

原木は針葉樹、広葉樹、国産材、輸入材を問わず「形が真っ直ぐで、真ん丸で、芯が真ん中にある」ものが良い。
さらに節がなく、外面に傷が見えないものを選ぶ。
色はその樹種に応じた色のものを選ぶ。
例えば杉は桃色をしたものが良材とされる。
黒色の杉は市場での評価は低い。
樹齢は古いものが価値が高い。
一般的に樹齢100年の木よりも150年の木の方が価値が高い。
樹齢は年輪の間隔を見て判断する。
あとは樹種によって異なる、特徴的な欠点に注意する。


■製材の目利き

製材前には原木をよく観察して、どの角度で鋸を最初に入れるかを決定する。
製材の途中で傷が出てきた時は、微調整しながら目的の板を取っていく。
これを木取りという。 木は製材の過程で必ず曲がる。
鉄などと大きく違う木の特徴である。
長年にわたる成長の過程で風などに対し抵抗する力が木の中に蓄えられる。
これを木の応力という。
鋸を入れる時には応力が解放されるため木が外に曲がろうとする。
この応力をうまく抜いてあげながら製材することが肝要である。


■木材の目利き

原木を数多く見て製材の経験を積んでいくと、板を見ただけでこの木はどんな丸太だったのか、どんな製材が行われたのかがわかるようになってくる。
そうするとその板がどのような性質を持ち、加工するとどのようになるのかが大方予想ができるようになる。
木は自然の産物であり、自然界の原理原則に基づいた性質を持っている。
この木材の原理原則を正確に捉えることが木材の目利きである。


高田豊彦